監修 医療法人優和会理事長 神田 浩之
こんにちは、群馬県前橋市のカンダデンタルけやきオフィス前橋です。
今回は奥歯の重要性についてお話いたします。
奥歯(特に7番)を放置すると危険です
「1本くらい大丈夫」が、将来の大きな治療につながることがあります
「一番奥の歯が1本なくても、そこまで困らないから…」と、7番(第二大臼歯)をそのまま放置してしまう方は少なくありません。
実際、7番は前歯のように見た目に関わる歯ではなく、抜けてもすぐに強い不便を感じにくいため、治療を後回しにされやすい歯です。
しかし、奥歯の欠損を放置すると、口の中では静かに大きな変化が始まっています。
特に7番の欠損は、噛み合わせ全体のバランスを崩し、健康だった歯までダメにしてしまう原因になることがあります。
●対合歯(噛み合う相手の歯)が伸びてくる「挺出」
歯は、噛み合う相手がなくなると、空いたスペースへ徐々に動いてきます。
例えば下の7番が抜けたまま放置されると、上の7番が下へ伸びてきます。
これを「挺出(ていしゅつ)」といいます。
最初は自覚症状がなくても、挺出が進むと以下のような問題が起こります。
・ 噛み合わせがズレる
・食事の時に当たり方が変わる
・顎に負担がかかる
・一部の歯だけ強く当たる
・詰め物や被せ物が壊れやすくなる
さらに進行すると、せっかく残っていた健康な歯なのに、
・大きく削らなければならない
・神経を取る必要が出る
・最悪の場合は抜歯になる
ということまで起こります。
つまり、「放置したことで、本来失わなくてよかった歯まで失う」ことがあるのです。
●6番(第一大臼歯)に負担が集中する
6番は、食事の際に最も重要な「噛む中心」の歯です。
本来は7番と一緒に奥歯全体で噛む力を分散しています。
しかし7番を失うと、その負担を6番が1本で背負うことになります。
すると、
・歯にヒビが入る
・歯が欠ける
・被せ物が壊れる
・歯周病が進行する
・歯が揺れてくる
・神経の炎症を起こす
など、非常に重要な6番がダメージを受けやすくなります。
6番まで失ってしまうと、その後の噛み合わせの崩壊は一気に進みます。
●食いしばり・歯ぎしりが強くなりやすくなる
奥歯の噛み合わせが崩れると、無意識のうちに噛む力のバランスも乱れていきます。
その結果、食いしばりや歯ぎしりが強くなることがあります。
特に現代人は、
・ストレス
・睡眠不足
・長時間のスマホ使用
・デスクワーク
などで、もともと食いしばりが強い方が非常に多いです。
そこへ奥歯の欠損が加わると、さらに歯へ過剰な力がかかりやすくなります。
すると、
・知覚過敏
・冷たいものがしみる
・歯の根元が削れる
・小さな欠け
・セラミックや詰め物の破損
・歯のヒビや破折
などが起こりやすくなります。
「最近しみる」
「歯が欠けやすい」
「詰め物が何回も取れる」
という方は、実は噛み合わせの崩れが原因になっていることも少なくありません。
●放置期間が長いほど、後からの治療が大掛かりになる
「今は忙しいから」
「そのうち治療しよう」
と思っていても、放置期間が長くなるほど、治療は難しくなっていきます。
例えばインプラント治療を行う場合でも、
・対合歯が挺出してスペースがない
・隣の歯が倒れている
・噛み合わせがズレている
という状態になると、
・挺出した歯を削る
・神経治療を追加する
・矯正的な処置が必要になる
・抜歯が必要になる
など、本来必要なかった治療まで増えてしまいます。
つまり、「後で治すつもり」が、結果的により大きな治療につながってしまうことがあるのです。
「今困っていない」=「問題がない」ではありません
7番は、失ってもすぐには困りにくい歯です。
しかし実際には、
・噛み合わせ
・周囲の歯
・顎
・食いしばり
・歯の寿命
に大きく関わる、とても重要な歯です。
奥歯の欠損は、静かに進行する「噛み合わせの崩壊」の始まりになることがあります。
欠損部は入れ歯だと本来の半分の力も出ないことが多いですが、
自分の歯が無くなってもインプラントを入れればかなり強く力でしっかり噛めます。
健康な歯を長く守るためにも、奥歯を失ったまま放置せず、できるだけ早めの治療をおすすめします。
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