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2026.9.29

根の治療を繰り返しても痛みが消えない理由|再根管治療で上顎洞への感染まで治めた症例

何度治療しても痛みが戻ってくる場合、原因は「治療が足りない」のではなく「届いていない」こと
があります。

 

左上の一番奥の歯が噛むと痛い、それを何度も繰り返している。精密に根管治療をしてほしい、とい
う希望で来院された方の記録です。

 

レントゲンでわかること、わからないこと


通常のレントゲンでも、根の治療が不十分で根尖病巣ができていることは読み取れます。ただ、患者
さんご自身が見てわかるものではありません。

そこで三次元で撮影します。

根の周りの骨が溶けて黒く抜けているのが見えます。それだけでなく、感染が上顎洞という副鼻腔に
まで広がっていました。

 

なぜ前の治療で治らなかったのか

根の中は、想像されているよりずっと複雑な形をしています。まっすぐな一本の管ではなく、枝分か
れし、湾曲し、時には細すぎて器具が入らない部分があります。

このケースでは、その複雑な形態のために前医で完全にアプローチしきれず、取り残された部分で感
染が続いていました。**治療が雑だったという話ではありません。**見えない場所を手探りで処置す
る以上、限界がある。だからマイクロスコープで拡大して、正しい位置を確認しながら進める必要が
あります。

 

治療の内容

⚫︎治療時間:1回あたり30~60分
⚫︎治療回数:5回
⚫︎治療期間:3か月

根の周りに骨ができ、上顎洞もクリアになりました。
この後、歯に近い性質を持つグラスファイバーの土台で補強し、精密な被せ物をして終了です。損傷
が大きかった歯なので、その後も経過を追っています。

 

かぶせ物を入れる前に確認してほしいこと

セラミックやジルコニアの被せ物を入れる前に、その下の根の治療がきちんとされているかを確認し
てもらってください。

 

見た目はきれいに仕上がっているのに、中で問題が進行しているケースは少なくありません。被せ物
を入れた後で根の治療が必要になると、せっかくの被せ物を壊して外すことになります。順番が逆に
なると、費用も時間も余計にかかります。

 

費用・期間・リスク

⚫︎治療期間:3か月(来院5回)
⚫︎費用:【コア:27,500円+クラウン:132,000円 計:159,500円】
⚫︎主なリスク・副作用:治療中・治療後に痛みや腫れが出ることがあります。感染の程度や根管の
形態によっては治癒せず、外科的な処置や抜歯が必要になる場合があります。再治療した歯は健
全な歯より強度が落ちるため、破折のリスクがあります。定期的な経過観察が必要です。

 

当院の考え方

当院が最も力を入れているのはインプラント治療です。骨が足りない、他院で断られた、といった難
しいケースを中心にお引き受けしています。

 

そのうえで根の治療にも時間をかけます。理由は単純で、残せる可能性を検討せずにインプラントを
勧めることはしたくないからです。

 

ただし、検討した結果として抜歯・インプラントをお勧めすることの方が多いのも事実です。今回の
ように再治療で治まるケースばかりではありません。すでに歯が割れている、支えの骨が失われすぎ
ている、そうした状態であれば、粘るより早く次の手に移った方が結果は良くなります。

 

“抜くか残すかの判断からご相談いただけます。”その判断の先にインプラントが必要になる場合
も、そのままお引き受けします。

 

関連記事はこちら

精密根管治療について▶

 

セラミック・被せ物について▶

 

セカンドオピニオンをご希望の方へ▶

 

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執筆 医療法人優和会 理事長 神田 浩之

 

東京歯科大学卒業。東京歯科大学総合診療科、東京都台東区の医療法人副院長を経て、
カンダデンタルけやきオフィス前橋を開業。インプラント治療歴20年以上、埋入実績4,762本
(2026年8月現在)。ISOI(国際口腔インプラント学会)指導医、DGZI Japan(ドイツ
インプラント学会)指導医、ADIA(アメリカインプラント学会)認定医。2025年 HIOSSEN
AWARD 表彰。「歯医者さんがおすすめする歯科医院」に5年連続で選出。

 

医療法人優和会 カンダデンタルけやきオフィス前橋
群馬県前橋市/027-212-0539
診療時間 9:30〜13:00・14:00〜17:30(土曜は17:00まで)
休診日 日曜・木曜・祝日
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