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2025.9.1

骨不足だとインプラント治療が難しい理由と選択肢を検討

監修 医療法人優和会理事長 神田 浩之

 

こんにちは、群馬県前橋市のカンダデンタルけやきオフィス前橋です。

インプラント治療は、歯を失った方にとって効果的な方法ですが、骨が不足していると治療が難しくなることがあります。今回は、骨不足がインプラント治療にどのように影響するのか、そしてその場合に考えられる選択肢についてお話しします。

インプラント治療と骨の関係

インプラント治療では、人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込んで、その上に人工歯を装着する方法を取ります。この時、大切なのがインプラントを支えるためには、適切な骨量が必要です。骨がしっかりとあることによってインプラントが安定し、長期間にわたって機能します。

ところが、骨が不足してしまっているとインプラントを埋め込んだ後にしっかり固定されず、治療がうまくいかないことがあります。骨の量が足りないとインプラントがグラついたり、最終的には外れてしまうリスクが高くなるのです。

 

骨不足が進行する原因

骨が不足してしまうのには、いくつかの理由があります。

● 歯が長期間ないと骨が萎縮する
歯を失ってから時間が経つと、顎の骨は自然に減少します。「歯根がなくなることで支えていた骨が徐々に萎縮します。これが骨不足の大きな原因です。
● 歯周病やその他の疾患が進行した場合
歯周病が進行すると、歯を支えていた骨が溶けてしまいます。また、事故や外的な衝撃で骨が損傷することもあります。
● 年齢による骨の減少年齢を重ねると骨の新陳代謝が低下し、骨の量や質が減少します。これも骨不足の原因の一つです。

 

骨不足でもできるインプラント治療の選択肢

骨が足りないからといって、インプラント治療を諦める必要はありません。現代の歯科医療では、骨不足を補うためのさまざまな方法が確立されています。

 

<骨造成>
骨が不足している部分に、足りない骨を移植する方法です。自分の体から採取した骨を使う方法や、人工的に作られた骨を使う方法もあります。これにより、インプラントを埋め込むために十分な骨量を確保することができます。ただし、この方法には治療期間が長くなることがあり、骨が定着するまで数ヶ月かかることもあります。

 

<サイナスリフト>
上顎の奥歯にインプラントを埋める場合、上顎洞(サイナス)という空間に骨を追加する手術を行うことがあります。この方法をサイナスリフトと呼びます。上顎の骨が不足している場合でも、骨を再生させることでインプラントを支える骨を確保できます。

 

<GBR(骨再生誘導法)>
GBR(Guided Bone Regeneration)は、骨が薄い部分に人工骨や自家骨を使って骨を再生させる方法です。これにより、インプラントを埋め込むための骨量を補えます。そして、治療後に一定の待機期間がありますが、安定した骨が形成されインプラントをしっかりと支えることができるようになります。

 

<All-on-4/6(オールオンフォー・オールオンシックス)>
骨が不足している場合でも、インプラントを少ない本数で支える方法として、All-on-4やAll-on-6が適用できます。この方法では4本または6本のインプラントを使い、全顎の歯を補うことや骨造成を最小限に抑えることができるため、骨が少ない方でも適用できる場合が多いです。また、手術後すぐに仮歯を装着できるため見た目や機能性の面でも大きなメリットがあります。

 

まとめ

インプラント治療を行う際には、患者様の口腔内の状態や骨の状態をしっかりと把握した上で最適な治療方法を選ぶことが重要です。骨移植やサイナスリフト、GBRなどは、手術後に一定期間待つ必要がありますが、その分インプラントがしっかりと定着するようになります。
当院の場合は、骨を造る処置と同時にインプラントを埋入するケースがほとんどです。(手術の負担も最小限に抑えられます)

そのため、All-on-4やAll-on-6など、骨造成を最小限に抑えた治療法も選択肢に入れることで、治療期間・費用・ライフスタイルに合わせた柔軟な対応が可能です。

当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせて最適な治療法をご提案しています。治療の流れや費用についても詳しくご説明いたしますので、インプラントに関して不安なことがあればお気軽にご相談ください。カウンセリングのご予約は、お電話・WEBから受け付けています。

 

カンダデンタルけやきオフィス前橋

 

神田 浩之