監修 医療法人優和会理事長 神田 浩之
こんにちは、群馬県前橋市のカンダデンタルけやきオフィス前橋です。
歯を失った場合の治療法としてインプラントやブリッジは広く利用されていますが、これらの治療法における耐久性や将来的な負担について、患者様が気にされる点でもあります。インプラントもブリッジもそれぞれに特長がありますが、いずれも将来的なメンテナンスや費用負担があるため、選択の際には耐久性を理解しておくことが重要です。
今回は、インプラントとブリッジの耐久性について、どちらの治療が長期的に見て有利なのかを考察していきます。
インプラントの耐久性
インプラントは、失った歯の代わりに人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。この方法は天然の歯とほぼ同じ感覚で使えるという点が大きなメリットです。
インプラントは、非常に高い耐久性を持つ治療法です。適切なメンテナンスを行えば、ほとんどの方は20年以上は問題なく使うことができます。
もちろんこれは個人差があり、治療後の口腔ケアや定期的な歯科医院での検診を怠らないことが前提ですが、しっかりとした噛み心地と見た目を長期間維持できるため、多くの患者様にとって安心の選択肢となっています。
しかし、インプラントが長期間安定して使える理由の一つに、”顎の骨との結合(オッセオインテグレーション)”があります。これにより、人工歯根がしっかりと固定されるため通常の歯と同じような感覚で食事ができますが、骨の状態によっては骨造成が必要になる場合もあり、その分治療期間や費用が増加することがあります。
インプラントが破損したりゆるんだりするリスクは低いですが、治療後のメンテナンスが重要です。適切にケアをしないと歯茎の状態が悪化し、インプラント周囲炎などのトラブルが発生する可能性があります。これが長期的な負担に繋がる場合もあります。
ブリッジの耐久性
ブリッジは、失った歯の両隣の歯に被せ物をし、橋渡しのように人工歯をつける方法です。インプラントよりも治療期間が短く、比較的低コストで治療が可能という点がメリットですが、その耐久性にはいくつかの制約があります。
ブリッジは、インプラントに比べて耐久性が劣る場合があります。一般的にブリッジの寿命は10年から15年程度であり、その後は再治療が必要となることが多いです。また、ブリッジを支える両隣の歯にも負担がかかるため、その歯が将来的に問題を起こすことがあります。特に、支える歯に虫歯や歯周病が発生した場合に再治療が必要となり、その際の負担が大きくなる可能性があります。
さらに、ブリッジは歯を失った場所に人工歯を「つける」形なので、失った歯の根元の骨が時間とともに萎縮してしまうという問題があります。これにより、ブリッジ自体が外れやすくなったり見た目のバランスが崩れることもあるため、適切なメンテナンスが重要です。
インプラントとブリッジ:将来的な負担の違い
インプラントとブリッジの大きな違いは、将来的なメンテナンスと支える歯への負担です。インプラントは、1本ずつ独立しているため周りの歯に負担をかけません。また、耐久性が高く適切にケアすれば長期間使用できるため、将来的な負担は少ないといえるでしょう。
ブリッジは、両隣の歯に負担をかけるため、その歯の健康状態が悪化すると再治療が必要になります。さらにブリッジ自体の寿命も10年〜15年程度とされ、定期的に新しいものに交換する必要が出てくることもあります。これにより、長期的なコストやメンテナンスの手間を考えるとブリッジはインプラントよりも負担が大きくなる可能性が高いでしょう。
まとめ
インプラントとブリッジにはそれぞれメリットとデメリットがあり、耐久性や将来的な負担について考える際には患者様のライフスタイルや健康状態を考慮することが重要です。インプラントは高い耐久性と安定性を提供し、長期間にわたって使用できるため将来的な負担が少なく済む可能性が高いです。一方で、ブリッジは比較的短期間で費用を抑えて治療できる一方で、将来的に再治療が必要になる可能性があるため、その点も考慮する必要があります。
治療を選ぶ際には専門の歯科医師としっかりと相談し、ご自身の状態や希望に合わせた最適な方法を選ぶことが大切です。当院では、患者様一人ひとりのご要望に応じた治療法をご提案させていただいていますので、まずはお気軽にご相談ください。カウンセリングのご予約は、お電話・WEBから受け付けています。