監修 医療法人優和会理事長 神田 浩之
こんにちは、群馬県前橋市のカンダデンタルけやきオフィス前橋です。
今回は、フィリピン・ラスピニャスでの歯科医療ボランティア活動をご紹介いたします。

フィリピン・ラスピニャス。
ここは多くの貧困層が暮らす地域で、家々が密集し、日常的に犯罪が起こる治安の厳しいエリアです。私たちは11月19日〜23日の4日間、歯科医療ボランティアとして訪れました。
「たった数日の活動で何ができるのか」そう考える方もいるかもしれません。しかし、行動しなければ何も変わらない。そう信じて、私たちはこの一歩を踏み出しました。
想いが支援の輪に変わる

フィリピンの現地事情に精通する方から、
「一度、自分の地元の貧困地区の現実を見てほしい。なんとかできないか」
――そう強く訴えられ、その言葉が胸に深く突き刺さりました。
見て見ぬふりはできない。
そう腹を括り、仲間とともに医療ボランティアとして現地へ向かう決意を固めました。
すると、私たちの想いに共鳴してくれる人々が次第に集まり、地域の有力者、各分野の専門家、さらには国連支援財団までもが力を貸してくれました。
ひとつの想いが、これほど多くの人を動かす。
その瞬間に立ち会えたことは、私たちにとって大きな励みとなりました。
4日間で2,500人に届けた未来の種

限られた時間の中でしたが、子どもたちを中心に延べ2,500人に次の支援を行いました。
- ブラッシング指導
- 歯ブラシ・フロス・プラークチェッカーなどの配布
- 管理栄養士による「歯と身体に優しい食事」の提供
子どもたちはブラシやフロスを本当に嬉しそうに受け取ってくれました。
その姿に、私たちも胸が熱くなりました。
そして今回の活動を通じて最も大切だと感じたのは、「習慣のきっかけ」をつくること。
物資を渡すだけでなく、日々の生活が少しでも変わるきっかけをつくる。その意識を常に持って向き合いました。
現実の厳しさと、向き合う覚悟

子どもたちの笑顔の裏で、私たちはこの地域の“現実”にも向き合いました。
ラスピニャスでは、子どもたちが犯罪に巻き込まれたり、時には犯罪に関わらざるを得ない状況に追い込まれることもあります。
今回の活動中には、地元のギャングが乱入する場面もありました。
そのため、警察官や私服ボディガードが常に私たちの周囲で安全を確保してくれていました。彼らの存在があり、私たちは活動を継続できたのです。
治安の不安定さは、日本では想像もつかないほど深刻です。
しかし、この現実から目を背けてしまっては、未来は変わりません。
医療人として、私たちは「知ること」「向き合うこと」の大切さを痛感しました。
日本チームと現地スタッフ、全員でつくった未来

当日は多くの地域住民が集まり、会場いっぱいの人で賑わっていました。
日本から同行したスタッフ、現地の医療従事者、ボランティアの方々……。
国籍も立場も超え、皆が力を合わせたからこそ、この活動は成立しました。
管理栄養士が心を込めて考案した「歯と身体に優しいお弁当」は、多くの方に喜んでいただき、現地の専門家にもレシピを共有しました。
その一つひとつの積み重ねは、きっとこれからの日常に小さくても確かな変化を生み出していくはずです。
想いを込めた最後のスピーチ

活動の締めくくりとして、私はマイクを握り、想いを全て込めてスピーチを行いました。
真剣に耳を傾けてくれる子どもたちの姿に、私たちも力をもらいました。
「行政を変えなければ、社会を変えなければ、何も変わらない」
そんな意見があることも理解しています。
でも、私は思います。
“誰かが動かなければ、変えられる未来もそのまま終わってしまう”と。
小さな行動が、誰かの意識を変え、行動を変え、やがて人生を変える。
その連鎖を信じて、私たちはこれからも活動を続けていきます。
私たちが守りたいもの

もちろん、私たちが最も大切にしているのは、日々クリニックに来てくださる患者様です。
その想いは今までも、これからも変わりません。
ただ同時に、医療人として「自分の人生を捧げてでも、できることがあるなら挑戦したい」と思う気持ちもあります。
国内外を問わず、必要とされる場所で、私たちにできることを続けていきたい。それが今回の活動で得た大きな“学び”でした。
動かなければ、何も変わらない。

貧困の現実は深く、根本的な課題は一朝一夕では変えられません。
ですが、私たちの一歩が未来を変える「きっかけ」になり得る。
そう信じて、これからも、歩みを止めずに進んでいきます。
この活動を応援・協力してくれた皆さん、本当にありがとうございました。感謝とともに、これからも、行動で想いを届けていきます。
2026年もどうぞよろしくお願いいたします。