監修 医療法人優和会理事長 神田 浩之
こんにちは、群馬県前橋市のカンダデンタルけやきオフィス前橋です。
インプラントは、見た目の美しさとしっかり噛める機能性を兼ね備えた治療法ですが、体内に金属を埋め込むため”MRI(磁気共鳴画像診断)検査に支障が出るのではないか?”と不安に思われる方も多いのではないでしょうか。特に健康意識の高い方々にとっては、定期的な画像検査を受ける機会もあるため、こうした不安は無視できません。
今回は、インプラントとMRI検査の関係性を科学的な視点からわかりやすく解説します。
そもそもMRI検査とは
MRI検査は、強い磁場と電波を使って体内の断層画像を撮影する医療機器です。レントゲンやCTと違い放射線を使用しないため被ばくのリスクがないというメリットがあります。
しかし、MRI検査では金属類が強い磁場の影響を受ける可能性があるため、体内に金属を持つ方は事前申告が必要になります。該当するものには、ペースメーカーや人工関節、歯科用インプラントなどがあります。
インプラントはMRIに影響するのか
ここが特に気になるポイントですが、結論から言うと現代の歯科インプラントはMRI検査にほとんど影響を与えません。
<理由①:インプラント素材は非磁性体>
現在主流の歯科インプラントは、純チタンやチタン合金で作られています。これらは磁性を持たない非磁性金属であり、MRIの磁場に影響を受けにくいという特性を持っています。
<理由②:サイズと位置>
インプラントは、頭部や胸部などの主要臓器から離れた顎の骨に埋入されるため、MRI検査の対象部位が脳や内臓などであれば影響を及ぼす可能性は極めて低いです。
<理由③:検査機器の進歩>
現在のMRI機器は非常に高性能で、インプラントなどの小さな金属体が検査結果に与える影響はごくわずかです。特に1.5テスラ以下のMRIであれば、安全性は高いとされています。
例外:注意が必要なケースとは
基本的には問題のないインプラントですが、以下のようなケースでは事前に医師へ相談することをおすすめします。
・インプラントを施術した時期が20年以上前で、使用材料が明確でない場合
・非正規のインプラントや、海外製の素材を使用している場合
・インプラントと同時に【他の金属製補綴物(クラウンやブリッジ)】が装着されている場合
こうしたケースでは検査前に歯科医院で使用素材の確認を行い、検査機関に申告することが大切です。
インプラント治療後も安心してMRI検査を受けるために
インプラント治療は、機能面・審美面ともに高い満足度を得られる治療法です。また、MRIとの関係についても、適切な情報と対応を知っていれば特別な心配は必要ありません。
当院では治療前に使用するインプラント体の素材や製品情報を丁寧にご説明しており、治療後も記録を残して管理していますので、万が一検査が必要になった際にも安心して申告していただけます。
まとめ
現代のインプラントは非磁性金属(主にチタン)でできているため、MRI検査に対する影響はほとんどありません。素材や装着位置、機器の性能から見ても、安全性は高いとされています。ただし、使用された素材が不明な場合や特殊な条件がある場合は、必ず医師にご相談ください。
インプラントを選択するうえでこうした医療検査との関係性も考慮したいという方は、ぜひ当院へご相談ください。当院では、患者様お一人おひとりのライフスタイルやご要望に合わせた治療がご提案できるようカウンセリングの時間もしっかりと確保しております。総合的な分野に精通する歯科医師が診断・治療を行いますので、安心してご来院ください。カウンセリングのご予約はお電話、ネットでも受け付けております。